ある方の施術例です。
この方は、具合が悪くなった時にたまにいらっしゃっている方なのですが、この度は、「温泉に行ってマッサージを受けたら、腰が痛くなったのと、骨盤がゆがんだみたいな違和感が現れた」という訴えでいらっしゃいました。
たまにこういうケースがあるので、今回ご紹介してみます。
僕はいつもと変わらず、悪いところを見つけて順番に施術をしていきました。
やはり、腰、骨盤は悪く、それをやわらげると軽くなったようで、この方にも「治った」とおっしゃっていただきました。
さて、施術後にもっとお話を聞いてみたところ、「背中が丸いと言われて、背中をグイグイ押された。骨盤がゆがんでいると言われ、同じくグイグイ押された。とても強い力で、終わったら痛くなった」そうです。
実は、患者さんが「施術のせいで痛くなった」と訴えたとしても、他の要因が影響している可能性もゼロではないので、施術との因果関係というのは、よく考える必要があります。
しかし、最後に聞いたお話から判断すると、どうもこの方の場合は、施術によって悪くなった可能性が高そうでした。
オステオパシーなどの手技療法の施術は、まず「検査」をします。
どこがどういうふうに悪くなっているかを判断し、そして、それを直すための施術をします。
力加減は、強ければいいとか、弱ければいいというものではなく、「悪いところが良くなる」ように、力を加えなくてはいけません。
そしてそれが終わると、再検査をして、良くなったことを確認することも欠かせません。
こんな作業を繰り返していくのが、施術というものなのです。
どうもお話をうかがう限り、温泉でこの方に施術をした人は、検査もちゃんとせず、「力は強い方が気持ちいいだろう」ぐらいに考え、再検査をして状態の変化を確認することもなかったと思われます。
結果として、腰や骨盤が余計にかたくなり、ゆがみも増したのではないでしょうか。
まあ、これは推測の域を出ませんが…。
施術の反応は人それぞれなので、結果が術者にも読めないことは、多々あります。
しかし、丁寧に、慎重に施術をすることによって、このようなケースは防ぐことができます。
僕も、気を引き締めようと思いました。
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