「朝起きたら腰が痛い」とおっしゃっていらっしゃった方の施術例です。きっかけとなる出来事に心当たりはなく、前日には痛みもなかったそうです。
ちなみに、痛いのは正確には上殿部(お尻の上の方)だったのですが、一般的にこのあたりを「腰」と呼ぶ方も多いので、最初に腰と表現させていただきました。
こちらにいらっしゃった時点で、痛みはだいぶ軽くなっていたそうです。
基本的に、起床後すぐというのは、体が硬くなっていて血の巡りも十分でないため、どこか具合の悪い方はそれが助長されていることが少なくありません。
しかし起きて活動し始めると、筋肉が伸び縮みし、血行が良くなり、具合の悪いところも軽くなります。この方もそんな経過をたどったのだと思います。また皆様も、そんな経験があるのではないでしょうか?
この方の場合、ご本人が気づかなかっただけで何かのきっかけがあって上殿部周辺の組織を痛めてしまったか、「こり」や「はり」が蓄積していてそれが限度を超えて自覚するようになったのか、どちらかなのだと思います。そして起床直後にそれが助長されていたというわけです。
ただ、起床直後がピークで、動き始めて段々と良くなっていたタイミングなのだと思います。そして、このタイミングでオステオパシーの施術ができると、非常に良いと思います。
約60分コースをお選びいただき、上殿部を中心に、比較的広範囲に全体的な施術をしました。痛みがあることとご本人のご希望もあって、非常にソフトなテクニックを用いました。
痛いところ周辺もそうなのですが、全身がだいぶ硬くなっていて、何かの力が加わってどこかを痛めたり、どこかに「こり」や「はり」による痛みが出たりしても、おかしくないはないなと思いました。
施術後は、さらに楽になったとおっしゃって帰っていただきました。いらっしゃるときは痛い部分をかばっていた様子でしたが、帰りは姿勢も良くなっていたと思えました。
2週間以上経って、全体的なメンテナンスを目的としてまた来ていただいたのですが、上殿部の痛みはあのまま消えてしまったとおっしゃっていました。