片側の腰・お尻・下腹部が痛い、といらっしゃった方の施術例です。腰・お尻は珍しくないのですが、下腹部まで痛いというのはあまりないケースだと思い、ご紹介してみることにします。
下腹部が痛いのは内臓の問題である可能性もあります。しかし、そういう感じではないとおっしゃっていましたし、別の可能性も考えられるので、「病院の受診もご検討ください」とはお伝えして、施術をしました。
その別の可能性として、ももの骨から骨盤、またはももの骨から腰骨につながっている筋肉があり(前者は腸骨筋、後者は大腰筋、あわせて腸腰筋といいます。体の奥の方にあります)、もしかして腰やお尻とともにそれらにも問題がある、ということが考えられます。
他に、腹筋自体に痛みが出ているということや、背骨のどこかの異常によって下腹部に行く神経の働きが悪くなって痛みが出ている、ということも考えられます。
約60分コースで、腰・骨盤周辺を最優先して、背骨全体、肩周辺、足全体の施術をしました。やはり、腰や、痛い側の骨盤・股関節が硬くなっているようで、それがやわらげば痛みも軽くなるのではないか、と思いました。
約10日後に、2回目のご来室です。まだ痛みがあるようですが、だいぶよくなったとおっしゃっていました。1回目とほぼ同じ部位を施術し、より一層やわらげました。
約2週間後に再びいらっしゃったときは、別の部位の不調を訴えておられました。
オステオパシーによって体をやわらげて整えたことで、それに伴い痛みも軽くなったようです。
人体は複雑ですので、「痛みの原因」を明確に1つに絞ることは難しいと僕は思っています。しかし、画像診断が必要な病気や重要な病気が疑われる場合は、やはり病院に行くのがよいと思います。一方で、そうではないがよくわからないけど痛いという時には、筋肉や骨を中心に体をやわらげて整え、体全体の機能向上を目指す、オステオパシーの施術もよいと思います。