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2024年9月21日土曜日

便秘のための手技

  定期的にいらっしゃっている方が、「めったにないんだけど、ここ3、4日間お通じがない」とおっしゃっていました。


 オステオパシーでは、普通に施術をするだけでもお通じに良い影響があると思いますし、そのための特別な施術もあります。

 例えば腰や骨盤周辺をやわらげると、腸が刺激されてお通じを促す、ということがありえます。また、施術全般により自律神経の働きが良くなり、排便のための反射が促されるようになる、ということもありえます。そして、この方はいつも約90分コースをお選びで、腰や骨盤も含めた全体的な施術ができますので、この点からもお通じを促せると思いました。

 また、内臓を直接動かす(もちろん体表からです)技術もあり、それをお話しして、腸を直接やわらげる施術もすることにしました。この施術をした後、お通じがある方は非常に多いと僕は思っています。そういう声をよく聞くからです。


 さて、施術後、次にいらっしゃったときに、「お通じはどうでしたか?」とおうかがいしてみると……「翌日でしたね」

 やったー、と思いました。翌日から毎日出ているとのことでした。


 便秘でお悩みの方も、オステオパシーをお試しになってみてはいかがでしょうか?

2024年8月18日日曜日

首・肩を主に、上半身全体が疲れている

 首・肩を主に、上半身全体が疲れている、といらっしゃった方の施術例です。その時点ではありませんでしたが、頭痛がするときもあるとおっしゃっていました。


 初回は約60分コースをご希望で、首から腰までの背骨全体、肩も含めて腕全体、骨盤・股関節周辺、を施術させていただきました。自覚症状はないようでしたが、手の指のつけねにも悪い部分がありましたので、それも含めて腕全体をさせていただきました。それがめぐりめぐって、肩や首に悪影響を与えていたかもしれません。

 2回目にいらっしゃると、首・肩を含めて全体的に軽くなったとおっしゃっていただきました。しかし、それゆえか、背中や腰、お尻、ふくらはぎの疲れなどが気になってきた、とのことでした。よって2回目は、同じく約60分コースでしたが、1か所に使う時間を減らし、より広範囲への施術をしました。背骨全体、腕は手首ぐらいまで、脚全体、という具合です。

 3回目にいらっしゃったときには、全体的にさらに軽くなり、特につらくはない状態だとおっしゃっていただきました。しいていうと、お尻に多少の重さや張りが残る、とのことでした。同じく約60分コースで、2回目とだいたい同じ範囲で、その時点での状況から判断して、背骨全体、腕全体、脚は足首ぐらいまで、の施術をさせていただきました。


 一番気になるところが軽くなってくると、別のところが一番に気になってくる、という現象はよくお見かけします。痛みなどの不快感はあくまで主観的なものですので、一番気になる部分以外は、脳が認識しにくいのかもしれません。しかしそこが良くなると、悪いけど認識されなかった部分が、認識されるのではないでしょうか。 

2024年7月21日日曜日

腰とお尻が痛くて、片脚が短い

  左右の腰からお尻が痛くて、片脚が短い感覚がある、といらっしゃった方の施術例です。数日前から痛みが強かったそうです。立ち姿を拝見すると、確かに片脚が短いような、体が傾いているようなご様子でした。


「片脚が短い」という現象の原因は、以下の3つだと思います。

  1. 「解剖学的短下肢」──もともと大腿骨(太ももの骨)が短い、股関節や膝の骨に変形があるなど、骨自体の短さがある
  2. 体がゆがんでいる──腰や骨盤、膝などの関節にゆがみがあることで、足の着地のしかたが左右不均等になる
  3. 痛みをかばっている──腰などどこかに比較的強い痛みがあって、それをかばいできるだけ痛くない姿勢をとる結果、片脚が短いような姿勢になる
 そしてこの方の場合、腰とお尻が痛くなる前は片脚の短さを感じていなかったようなので、2か3、もしくは2と3両方が、原因だと思われます。


 施術は約60分コースをご希望で、腰とお尻に最も時間を割きながら、背骨全体、肩周辺、脚全体の施術をさせていただきました。

 そして約2週間後にいらっしゃったときには、だいぶ良い状態だとおっしゃっていました。痛みも片脚の短さも、よくなっていたようです。同じく約60分コースで、より良い状態になるよう同じ部位への施術をさせていただきました。


 

2024年6月15日土曜日

前かがみで腰とお尻の上の方が痛む

  前かがみになると、腰と、お尻の上の方が痛い、といらっしゃった方の施術例です。重い物を持ったなど、きっかけに心当たりは特になかったそうです。


 約60分コースをご希望。腰を含めた背骨全体(首から腰)とお尻のあたりにもっとも時間を使いながら、体の中心部を全体的に施術しました。


 やはり腰、お尻(ちなみにお尻は、骨盤や股関節の筋肉の集まりです)には問題があったと思うのですが、もも裏の筋肉がとても硬くなっていて、それが印象的でした。それもまた痛みに大きく影響していたのだと思います。仰向け(お腹が上)になった状態で、膝を伸ばしたまま足を天井方向に挙げていきます。そうするともも裏の筋肉が伸びながら、股関節が曲がっていきます。しかしこの方の場合、そのもも裏の筋肉が伸びずに、足が挙がりません。もも裏の筋肉が硬くて、股関節が曲がるのを邪魔しているような状態でした。そしてそれによって、腰やお尻の上の方に負担がかかっていたのではないでしょうか。


 そのあたりも含めて体の中心部を全体的に施術しました。帰り際、スリッパと靴を履き替えるため前かがみになったさい、「あ、ずいぶん楽になってる!」とおっしゃっていただきました。


 前かがみで腰が痛む方というのは、この方のようにお尻やもも裏が硬くなり、腰骨だけでなく股関節の動きにも問題が生じている方が多いように思えます。「腰が痛い」のは腰を伸ばすと痛いだけでなく、このように前に曲げると痛い場合もあります。どちらも、オステオパシーをお試しになってみてはいかがでしょうか。

2024年5月25日土曜日

施術中の変化──眠くなる、お腹がすく

  今回は、個別の施術例ではなく一般的なお話で、施術中によく起きる変化についてご紹介します。よく目にするのが、眠くなる方と、お腹がすいてくる方です。


 施術を受けていると眠くなってくる、という方はとても多いです。そして施術中に僕自身も、寝息を耳にしたり、寝てしまって歯を鳴らす方を目にすることも多いので、その方たちは本当に寝ていると思います。約60分コース以上をお受けになる方の半数近くは、どこかのタイミングで寝ているのではないか、とも思っています。


 お腹がすいてくる、というお声もよく聞きます。そして施術中に僕自身も、お腹が鳴る音を耳にすることも多いので、その方たちはやはりお腹がすいてきているのでしょう。ちなみに、お昼前や夕方は、僕がお腹を鳴らしているときもあります(笑)。


 これらの反応は、施術によって心身がリラックスし、副交感神経が強く働き始めたことが原因だと思います。副交感神経とは自律神経の一種で、心身が休息モードのときに強く働き、眠くなったり、お腹がすいたりするのです。ちなみにそれとは対照的に交感神経という自律神経の一種もあり、こちらは心身が緊張モードになったときに強く働き、心臓が高鳴ったり、眠気がやわらいだりします。この副交感神経と交感神経を合わせて自律神経と呼び、本人の意思とは関係なく自律的に、内臓の働きを調節しています。


 副交感神経も交感神経もともに大切で、人が生きていくためには両方がきちんと働く必要があります。そしてオステオパシーの施術は、心身をリラックスさせ副交感神経をきちんと働かせ、その後に交感神経を働かせるための準備に役立つのではないかと思います。

2024年4月21日日曜日

腰とともに下腹部が痛い・はる

  片側の腰から、お尻、そして(前に回って)下腹部が痛い・はる、といらっしゃった方の施術例です。下腹部が痛い・はるというのが特徴的でしたので、ご紹介してみます。


 下腹部が痛い・はる理由を考えてみると、2つ考えられました。1つは、腰の骨から出て下腹部に延びている神経が刺激されて、その周辺に痛み・はりをもたらしているから。もう1つは、腰と太ももの骨(大腿骨)をつないでいる「大腰筋」という筋肉が痛み・はりを出しているから、です。どちらかかもしれませんし、両方影響しているかもしれません。

 ただし、どちらにせよすることは特に変わらず、お腹、腰、お尻周辺をやわらげていくことにしました。


 初回、約60分コースで、お腹と腰、痛い側の骨盤・股関節(下腹、お尻周辺)にもっとも時間を使います。そして脚全体と、可能な限り上半身もやわらげました。

 約5日後に、同じく約60分コースで2回目。初回施術後よくなっていたが、また段々悪くなってきた、とおっしゃっていました。基本的に、初回と同じ部位の施術をしました。ただし、初回は上半身に他の気になるところがあったのですが、この度はそれがなくなっていたため、上半身の施術部位は少し変えました。

 そして、その痛み・はりはそのままよくなったようで、約2か月後に別件でいらっしゃいました。腰周辺がゆるみ、神経の働きが良くなり、大腰筋もゆるんだのだと思います。


 このように、腰痛が体の前側に影響を及ぼす場合もありますので、気になる方はオステオパシーを試してみて下さい。

2024年3月24日日曜日

声や(管楽器の)音がよく出るようになった

 先日、ある方の施術を終えた際に、「声がよく出るようになった」という感想をいただきました。また、管楽器(吹いて音を出す楽器。吹奏楽器ともいう)の演奏をする方に「音がよく出るようになった」というご感想をいただいたこともあります。そこで今回のこのブログは、一般論としてオステオパシーの「声」や「(管楽器を演奏する際の)音」についての影響についてご紹介します。


 結論として、オステオパシーの施術によって体のいろいろな部分をやわらげることで、声や音への良い影響があるのではないかと、僕は思っています。考えてみると、以下のような現象が起きるのではないかと思うのです。

  • 背骨や横隔膜・肋骨への施術→横隔膜や肺の動きがよくなり肺活量が増す
  • 首や頭への施術→自律神経への作用を介して舌の筋や発声の筋がよく動くようになる
  • 施術全体→心や体の緊張がほぐれ、思った通りに体を動かしやすくなる


 ちなみに、前述の管楽器の演奏をする方は、定期的に施術にいらっしゃってご自身のパフォーマンスを管理されていたようです。「声が出にくい」「音が出にくい」「もっと声を出したい」「もっと音を出したい」とお考えの方は、一度オステオパシーを試してみてはいかがでしょうか。

 

 


 

2024年2月22日木曜日

「腰の突起」あたりの違和感(後上腸骨棘=PSISあたりの違和感)

 

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 写真の赤い丸で囲まれたあたりに突起になっている部分があると思うのですが、今回は、「そこに違和感があり、ぎっくり腰になりそう」といらっしゃった方の施術例です。ちなみに、ここでは左側だけに丸をしていますが、右側にもあります。そして、黒い縦線は腰骨を示しています。青い逆三角形は、仙骨、いわゆる尾てい骨を示しています。


 赤丸の部分の突起は、正確には後上腸骨棘(PSIS)といい、骨盤の一部が出っ張った部分です。骨盤は尾てい骨と接合して関節を作っています。また、腰骨の下2つからは、このPSISの方向に靭帯が走っています。


 このように解剖学的に見ると、PSISのあたりが痛いということは、腰骨、骨盤、尾てい骨の状態が良くなくて、その影響を大きく受けていると考えられます。ですからこの方にも、それらを中心とした施術をさせていただきました。


 約30分コースをご希望で、腰と尾てい骨、違和感のある側の骨盤にもっとも時間を割きました。そして反対側の骨盤と、股関節を左右施術しました。反対側の骨盤にも問題があり、それが違和感のある側に影響を与えていると考えられるからです。股関節は、尾てい骨や骨盤に大きく影響するところだからです。加えて、背中の張りもあったので、それも腰などに影響するでしょうから、時間の許す限り背中も施術しました。


 翌日またご来室されたのですが、PSISの違和感はだいぶやわらいだそうです。その後ぎっくり腰になる確率も、ずっと下がったと思います。


 オステオパシーではこのように、解剖学を重視して施術をしています。



2024年1月14日日曜日

脊椎圧迫骨折後の背骨の痛み

 全身が痛い、そして脊椎(背骨)に圧迫骨折をしたところがありそこが特に痛い、といらっしゃった方の施術例です。

 背骨に上下方向からの力が加わり、縦につぶれたような状況になったのが脊椎圧迫骨折で、痛みの程度や治り方は幅広いようです。つぶれ方や回復の程度に、差が大きいからでしょう。

 圧迫骨折をしたことがあるという方を施術することは珍しくないのですが、骨折が治癒する時間が経過しても、何だか痛みが残る、とおっしゃる方は珍しくありません。骨自体が元のように戻らなかったということと、その周辺の組織(関節包、靭帯、筋肉など)が治る過程でこわばり、元のようにやわらかくなっていないことが原因だと思われます。そしてオステオパシーでは、骨自体は戻せませんが、周辺組織をやわらげることはできるので、その分痛みにも良い影響があるでしょう。


 初回は約60分コース。腰から背中にもっとも時間を割き、首、肩の周り、股関節の周り、膝の施術をしました。圧迫骨折した部分を中心に、できるだけ広範囲に、という狙いです。全身痛いとおっしゃるだけあり、いろいろなところが非常に硬くなっていた印象です。そしてやはり、圧迫骨折したところの周辺は一層硬さが強かったです。しかしそれらをやわらげることで、ずいぶん軽くなったとおっしゃっていただきました。


 2回目はその約1週間後で、同じく約60分コース。いらっしゃったときの姿勢が、前回より良かったと思いました。前回伸ばせなかった部分が伸ばせるようになっていたためと思われます。お体を拝見しても前回よりはよかったと思うのですが、さらに前回と同じ部位の施術をし、それを一層やわらげました。


 3回目は約1か月半後のご来室で、「しばらく調子が悪くなかった。圧迫骨折したところとは別のところが最近痛くなったから来た」とおっしゃっていました。最初は全身がずいぶん硬い印象だったのですが、圧迫骨折したところも含めて、ある程度やわらかい状態を保てていたようです。