後上腸骨棘(こうじょうちょうこつきょく)、略してPSISという部分があります。
腸骨(骨盤を構成する骨)の、腰骨(こしぼね)との境にある出っ張った部分です。
このあたりが痛い、とおっしゃって来室された方の施術例を、今回はご紹介します。
「腰痛」の一種と分類してよいと思います
その1ヶ月ぐらい前から、じわじわと痛くなってきたそうです。
まだ若い方で、腰痛になるのは学生時代以来とのこと。
現在、腰に負担のかかりやすい仕事をしている方でした
初回は30分ご希望で、腰、骨盤、股関節と、痛い部分周辺をやわらげました。
そして、それでだいぶ良くなったようです。
実はこれで話はおしまいで(笑)、その時に2回目の予約をお取りいただいたのですが、後日、「都合が悪くなったのでキャンセルさせてください。腰はもう良くなりました」とご連絡をいただきました。
「効果がなかった」「メリットがなかった」と感じてキャンセルをされる場合に、僕に嫌な気持ちを与えないようにとそのように言われる方もいると思います。
しかしこの場合は、1回目の反応と、お電話をいただいた時の口ぶりから、おっしゃったことは本当だと思いました。
「こういうのは1回受けただけじゃ判断がつかない」とおっしゃる方もいますが、もちろん、1回の施術が非常に効果的な場合もございます。
この方の場合などはそうだったのではないでしょうか。
ただ、別に「オステオパシーの施術1回で腰痛が治った」とは申しません。
腰に負担のかかる仕事をされているとはいえ、まだ年齢的に若いこと、慢性的な腰痛は持っていないこと、何かをきっかけに急にではなくじわじわと痛くなってきたこと、などの条件を考えると、自然治癒しやすい状況だったのではないかと思うのです。そしてオステオパシーが、タイミングよくそれを後押ししたのではないでしょうか。
そもそも体が治るのは、人間が本来持っている治癒能力によるものです。
ですからこの場合は、施術をきっかけにそれがうまく発揮されたケースだと思うのです。