写真の赤い丸で囲まれたあたりに突起になっている部分があると思うのですが、今回は、「そこに違和感があり、ぎっくり腰になりそう」といらっしゃった方の施術例です。ちなみに、ここでは左側だけに丸をしていますが、右側にもあります。そして、黒い縦線は腰骨を示しています。青い逆三角形は、仙骨、いわゆる尾てい骨を示しています。
赤丸の部分の突起は、正確には後上腸骨棘(PSIS)といい、骨盤の一部が出っ張った部分です。骨盤は尾てい骨と接合して関節を作っています。また、腰骨の下2つからは、このPSISの方向に靭帯が走っています。
このように解剖学的に見ると、PSISのあたりが痛いということは、腰骨、骨盤、尾てい骨の状態が良くなくて、その影響を大きく受けていると考えられます。ですからこの方にも、それらを中心とした施術をさせていただきました。
約30分コースをご希望で、腰と尾てい骨、違和感のある側の骨盤にもっとも時間を割きました。そして反対側の骨盤と、股関節を左右施術しました。反対側の骨盤にも問題があり、それが違和感のある側に影響を与えていると考えられるからです。股関節は、尾てい骨や骨盤に大きく影響するところだからです。加えて、背中の張りもあったので、それも腰などに影響するでしょうから、時間の許す限り背中も施術しました。
翌日またご来室されたのですが、PSISの違和感はだいぶやわらいだそうです。その後ぎっくり腰になる確率も、ずっと下がったと思います。
オステオパシーではこのように、解剖学を重視して施術をしています。