今回は個別の施術例ではなく、一般論を書かせていただきます。
「左右の足の長さが違う」とのご相談についてです。
どこかの施術所に行き、「骨盤がずれていて足の長さが左右違っている」と言われる方が多いようなのですが、それは、手技療法界では有名なチェックポイントです。
しかし個人的に思うのですが、骨盤でも腰骨でも膝でも足首でも、体中のどこにアンバランスがあっても、結果的に左右の足の長さは変化するでしょう。
ですから、骨盤だけを特に重要視する必要はないと思うのです。
また同じく、足の長さの違いだけを特に重要視する必要もないと思います。
そのため当施術室では、特に気になっている方以外は、足の長さを左右比べてお知らせすることはありません。(もちろん、リクエストがありましたら拝見してお知らせいたします)
足の長さの違いはあくまでチェックポイントの1つであり、特別にそこを重要視する必要はない、というスタンスで施術をおこなっているのです。
しかし、普通に施術をして全体的なバランスを整えれば、自然と体は左右均等になっていくものです。
そして左右の足の長さの違いが気になっている方でも、施術の結果として、「足の長さがそろってきた」「歩く時の着地のしかたが変わってきた」と言っていただけるケースは珍しくありません。
ところで、その場合とは異なり、どう施術をしても変えられない足の長さの違いもあります。
骨がもともと短いとか、軟骨のすり減りに左右差があるとか、体の組織自体に変化があって左右のアンバランスが出ている場合は、残念ながら施術によってそれを整えることはできないでしょう。
しかし、それに伴う様々な症状をやわらげたり、より悪化しないように予防したりすることはできますので、その点はオステオパシーの施術にもメリットがあると思います。