成長期のスポーツなどの過剰な負荷によって、すねの骨(脛骨)の上端部分(膝のお皿の下の部分)が部分的に剥離し、そこに隆起や痛みが現れる疾病を、オスグッド・シュラッター病(またはオスグッド病)といいます。
大腿四頭筋という筋肉群が、ももの前側にあります。そしてそれが膝のお皿を経由して、脛骨の上端部分に付着しています。
この大腿四頭筋を酷使し、それが硬くなって伸び縮みしなくなると、筋の付着部である脛骨の上端部分に強い負荷がかかります。
そして、成長期はまだこの部分の骨がやわらかいため、剥離してしまうことがあるのです。
(参考→「オスグッド病」|日本整形外科学会)
さて、成長期でスポーツをしていて、「オスグッド・シュラッター病だと言われた」といらっしゃった方の施術例をご紹介します。
初回は約90分コースをご希望でしたので、ほぼ全身を施術させていただきました。
痛む側の膝周辺は特に時間をかけて細かく施術し、一方で、反対の足や背骨の動きなども間接的に影響するでしょうから、全身的な施術をしました。
2回目以後は約60分コースをご希望で、痛い側の膝周辺を中心に、両足全体、腰から首まで背骨全体、肩周辺の施術をさせていただきました。1回目から3回目までが、合わせておよそ1週間の間隔でした。
そしてその1週間後に4回目、さらにその2週間後に5回目の施術を、同様にさせていただきました。
痛みの強さや痛む頻度は段々と減っていて、この頃には痛みはなくなっていたそうです。
そしてさらにその1か月後にいらっしゃいましたが、同じくその間、痛みは出なかったそうです。
骨の剥離自体はオステオパシーで戻すことはできません。
しかし、膝周辺の筋肉や関節の動きをやわらげることと、全身がやわらかくバランスよく動くように調整することで、痛む部分への負荷を減らすことができます。その結果、痛みが減ってきたのでしょう。
この方の場合、その間にもスポーツは続けていました。しかし、柔軟体操をできるだけしっかりとして、膝周辺の筋肉をやわらかく保つようにお伝えしていました。